1st Note

方法論

1st Note のレビュー方法

1st Note は電子ピアノを比較評価するレビューサイトです。全機種を同じ5軸の式で採点し、その式をこのページで全て公開しています。本文の編集方針もあわせて記載しています。

このサイトでやっていること、やっていないこと

私たちは掲載している全機種を所有しているわけではありません。一人のレビュアーが200機種以上を所有することは現実的ではないので、その前提を曖昧にせず、メーカーの公開スペックから機械的に採点する形を取っています。スペック表で分かることと、実際に弾かないと分からないことを、できる限り分けて書くようにしています。

強み

  • 200機種超を同じ指標で横並びに比較できる
  • 全スコアが公開済みの式で計算されている(このページの下に全て載っています)
  • メーカーからの掲載料・優遇配置の依頼は受けていない。スコアにアフィリエイトの影響は入らない
  • 実機レビュアーが手を出しにくい価格帯・地味モデル・ロングセラー機もカバーしている

苦手なこと

  • 鍵盤を触ったときの感触そのものは伝えられません。鍵盤アクションの仕組みと、1〜10段階で評価したリアリティ感の指標までを書きます
  • サンプル音源の良し悪しは断定しません。同時に出せる音の数、音源方式、スピーカー出力は記載するので、読み手に判断していただく形です
  • 店頭で15分弾く体験を置き換えることはできません。最終判断は実機を前にして決めるのが現実的です
  • ユーザー評価の集計値や星マークは表示しません。理由は下の節に書いています

5つの評価軸

各軸は0.0〜10.0の範囲です。下の表は、その軸に加点される全要素と、各要素の点数、参照するスペック項目です。隠れた変数はありません。

初心者向けスコア

初心者向け

これからピアノを始める方をどれだけ助けてくれるかを見ています。レッスン機能、Bluetooth MIDIやスマホアプリでの練習アプリとのつながりやすさ、自分の演奏を聴き返せる録音機能、内蔵曲の多さ、そしてスタンドやダンパーペダルが最初から付いてくるかどうかです。メトロノーム・移調・レイヤー/スプリットはほとんどの機種にそろっているため、3つまとめて小さな1項目として数えています。機種ごとに差が出るところに重みを置く考え方です。

各行は「評価要素 → 採点条件 → 加点」を示しています。

評価項目 採点条件 加点
基準点 全機種に共通の出発点 0.5
レッスン機能 レッスン機能を内蔵している +1.8
アプリ連携 スマホアプリ連携あり +1.8
Bluetooth MIDI Bluetooth MIDI対応(ケーブルなしで練習アプリにつながる) +1.0
録音 録音機能を内蔵している +0.8
練習の基本機能(メトロノーム・移調・レイヤー/スプリット) メトロノーム・移調・レイヤー/スプリットがすべてそろっている(3つはほぼ全機種にあるため、まとめて1項目) +0.6
スタンド付属 専用スタンドが付属している +0.5
ダンパーペダル付属 ダンパーペダルが付属している +0.4
内蔵曲 内蔵曲数に応じて対数的に加点。500曲で満点 +min(log10(songs) / log10(500), 1) × 1.8
音色の豊富さ 音色400種以上で+0.8、100種以上で+0.6、20種以上で+0.4、10種以上で+0.2 +0 to +0.8

合計は0〜10にクランプされます。

夜間練習スコア

夜間練習向け

集合住宅でヘッドホン中心に練習できるかを見ています。ヘッドホン端子の数と大きさ、ヘッドホン用の音場補正、鍵盤そのものの打鍵音の静かさ、そして音を外に出さずに聴くための経路(スピーカーの消音、Bluetoothオーディオ、ライン出力)です。スピーカーの消音は、ヘッドホン端子がある機種にだけ加点します。端子が1つもない機種は、消音しても練習の音を聴く方法がないためです。

各行は「評価要素 → 採点条件 → 加点」を示しています。

評価項目 採点条件 加点
基準点 全機種に共通の出発点 1.0
ヘッドホン端子数 ヘッドホン端子2つ以上で+2.2、1つで+1.3、なしで0 +0 to +2.2
ヘッドホン端子タイプ 6.3 mm対応で+0.9、3.5 mm対応で+0.5(両方なら合算) +0 to +1.4
ヘッドホン最適化 ヘッドホン用音場補正機能 +2.2
Bluetooth Audio Bluetoothオーディオ入力(曲に合わせて練習可) +0.8
ライン出力 ライン出力あり(音を外に出さずに機材へ送れる) +0.4
ヘッドホン接続時のスピーカー消音 ヘッドホンを挿すとスピーカーが消音になる(ヘッドホン端子がある機種のみ加点) +0.7
鍵盤アクションの静音性 鍵盤グレード3以下で+1.3、4〜5で+0.8、6〜7で+0.4、それ以上は0 +0 to +1.3

合計は0〜10にクランプされます。

持ち運びやすさスコア

持ち運びやすさ

移動・設置のしやすさです。重量、横幅、電池駆動の有無、折り畳み可否、鍵盤数を見ています。

各行は「評価要素 → 採点条件 → 加点」を示しています。

評価項目 採点条件 加点
基準点 全機種に共通の出発点 5.0
重量 5kg以下で+3、8kg以下で+2、12kg以下で+1、20kg以下で0、40kg以下で−1.5、それ以上で−3 −3 to +3
横幅1000mm以下で+1、1320mm以下で0、それ以上で−0.5 −0.5 to +1
電池駆動 電池駆動に対応(内蔵またはオプション) +1.5
折りたたみ 折り畳み可能 +1.0
鍵盤数 76鍵未満で+0.5、76〜87鍵で+0.2、88鍵で0 0 to +0.5

合計は0〜10にクランプされます。

タッチの本格度スコア

タッチの本格度

演奏感覚をどれだけアコースティックピアノに寄せられているかを、機械的な仕様から判断します。鍵盤アクションのグレード(1〜10)、鍵盤数、同時に出せる音の数、音源モデリング方式、鍵盤表面の素材を見ます。

各行は「評価要素 → 採点条件 → 加点」を示しています。

評価項目 採点条件 加点
鍵盤アクション品質 鍵盤アクション・グレード(1〜10)に0.6を乗じる grade × 0.6
鍵盤数 88鍵で+1.5、76〜87鍵で+0.8、それ未満で+0.2 +0.2 to +1.5
同時発音数 同時に出せる音の数 256以上で+1.5、192以上で+1.2、128以上で+0.8、64以上で+0.4、それ未満で0 0 to +1.5
音源モデリング 物理モデル/V.R.M.系で+1.0、それ以外のモデリングで+0.5、なしで0 0 to +1.0
鍵盤表面 象牙調または黒檀調の表面で+0.5、木製で+0.3(両方なら合算) 0 to +0.8

合計は0〜10にクランプされます。

コスパスコア

コスパ

他の4軸の平均に、価格の位置による補正を加えて算出します。比べる相手はサブカテゴリ内ではなく、現行の全機種です。内容が同じなら安いほど加点、高いほど減点になります。補正は両端で±1.0点までとし、4軸の平均のばらつきよりも小さく抑えています。価格の差だけで順位が決まらないようにするためです。比較できる機種が15に満たない場合は、価格による補正を行いません。

スコアでは測れない部分

音色の好みは個人差が大きい領域です。ヤマハとローランドのサンプリングのどちらが「よりピアノらしい」と感じるかは、本人の耳次第で答えが分かれます。タッチの好みも同様で、重ければ良いわけでも、軽ければ速く弾けるわけでもありません。スコアは仕様面の輪郭を映すもので、楽器と弾き手の相性まで判定するものではありません。タッチの本格度が近い2台があったとき、どちらがあなたに合うかは、スコアでは決まりません。

なぜ星評価を表示しないか

Googleの構造化データの方針では、サイト運営者が自分で算出した評価値を Review / AggregateRating マークアップとして出すと、スパム扱いを受けるリスクがあります。5軸スコアの平均を「星◯個」として出すことはできるのですが、それを「ユーザーレビュー」と呼んでよいかというと、私たちはNoだと考えています。5軸の数値そのものと、算出式の両方を見せて、読み手が自分で重み付けできる形にしています。

なぜユーザーレビューを集めないか

所有者確認、組織票防止、メーカー関係者によるサクラ投稿の検出など、ユーザー投稿型レビューを健全に運営するための仕組みは今の体制では構築できていません。検証されていないコメントを少数集めても、判断材料というよりノイズになってしまいます。実ユーザーの声を読みたいときは、専門フォーラムや販売店のレビュー欄を直接読むほうが、現実的な情報源になります。

データの出所

スペックはまずメーカーの公式ページ(ヤマハ、ローランド、カワイ、カシオ、コルグ等)を一次情報として、正規取扱店の商品ページ(島村楽器、サウンドハウス、Sweetwater、Thomann等)や正規サービスマニュアルで突き合わせています。出典URLは内部で機種ごとに記録していますが、可読性のためサイト上には出していません。情報源どうしが食い違うときは、メーカー公式ページの現行記載を優先します。

更新の運用

メーカーがスペック表を変えた場合(例: 同時に出せる音の数の変更、公式重量の改訂)は、スコアパイプラインを再実行して全数値を更新します。販売価格はリアルタイム追跡していません。表示しているのはメーカー希望小売価格であって、いま現在の販売価格ではありません。実勢価格は各機種ページの販売サイト動線から確認してください。採点式そのものを変えることはめったにありませんが、変えたときはここに書きます。2026年7月22日に、初心者向けと夜間練習の2軸を見直しました。同じ点数に多くの機種が並んでしまい、順位が情報を持たなくなっていたためです。あわせて価格対効果の軸を、サブカテゴリ内ではなく全機種を母数とする方式に改め、価格による補正の幅を±1.0点に縮めました。

修正・指摘の受け付け

スペックの誤記、翻訳の不自然さ、事実誤認に気づかれた場合は、お問い合わせフォームからお知らせください。元データのJSONを修正し、影響範囲のスコアを再計算します。実質的な指摘をいただいた方には、希望があれば修正後にお名前を記載します。

誤りを指摘する

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